病気から学んだこと・考え方

キャッチでおなじみ恩田千佐子アナウンサー(中京テレビ)の乳がん体験が1冊の本に。「一歩先へススメ」に学ぶ多くのこと

恩田千佐子乳がん本「一歩先へススメ」

こんにちは、ゴローです。

本日の記事では、今や女性の10人に1人は生涯のうちになると言われている「乳がん」について書いていきます。

中京テレビ(東海地方)の恩田千佐子アナウンサーは、2017年に乳がんと診断されました。治療など一連の様子が、同局「キャッチ」の中で放送されています。また、中京テレビが立ち上げた「ススメ」プロジェクトの1つとして、書籍「一歩先へススメ」も出版されています。

書籍を改めて読んでみると、ひじょうにバランスのよい内容になっており、こちらの書籍の中から、共感できる部分や重要な部分を紹介していきたいと思います。

前半は、恩田アナや周囲の方の言葉・想いを紹介しながら、自分の体験やこれまで感じてきたことなども交えて話を進めていきます。

後半では、乳がんや「ススメ」プロジェクトについても触れています。

2020年には、日本テレビ「スッキリ」の中で、「3DAYS乳がんを考える」が全国放送もされています。10月のピンクリボン月間にあわせて、乳がんが特集されました。

乳がんの知識だけでなく、恩田アナや周囲の方の病気との向き合い方をこの記事で知っていただくことで、皆さんの参考にしていただけたら嬉しく思います。

 

本人が決めた選択を否定せず、寄り添ってほしい

 

周りの家族や親しい友人に、本人が選んだこと・決めたことを否定せず、肯定して寄り添ってあげてほしい。

こっちの方が良かったんじゃない?こういう選択肢もあたんじゃない?って、ちょっとでも言われると、自分の選択は良かったのかな?って思ってしまう。ぐらぐら感情の起伏が出てきてしまう。

 

2017年に放送された「キャッチ」を見て、僕が一番共感した言葉がこれでした。当時泣くのをめちゃくちゃ我慢していた時期だったので、恩田さんが涙ながらに語っていたこの言葉に、我慢できず涙したのをハッキリと覚えています。

この内容は本の中でも触れられていて、担当した取材ディレクターの三輪あきなさんも、この恩田さんのメッセージはどうしても伝えたかったと、コラムの中で語っています。

人生って決断の連続だと思うけど、(治療法だけでなく)病気に対して行う選択は、その中でも最高峰に決断力がいると思います。僕自身、最初の2年間くらい、人生で一番難しい選択の連続でした。

ギリギリの精神状態でめちゃくちゃ考えた末の決断だから、周りの親しい人にだからこそ!肯定して寄り添ってほしいと思います。

僕の場合も、家族で意見がいろいろ割れる場面がありました。でも自分のことだからこそ、最後は自分の意見を全部通しました。父親は納得いってなくて、もう関わらないって感じで正直ショックでした。この頃は、明日生きているのか?という状態で日々を過ごしていただけに、自分の選択に自信をなくすこともあり、精神的にきつかった記憶があります。

だからこそ、皆さんの周りの誰かが大きな病気をした時には、本人の決断に寄り添ってほしい!と思います。それが、一番嬉しい想いとして届くと思います。

一方、病気をした本人の方には、余裕のない中でも、自分の意見を大事にしてほしい!と思います。僕の場合は、ある段階で覚悟を決めてから氣持ちが楽になったし、今となっては自分の選択は間違ってなかったと思います。

他人の意見によって、モヤモヤしたまま自分にとって違和感のある決断をすると、どこかで後悔したり自信がなくなったりしてしまうと思います。自分の決断に自分で責任をとるためにも、難しい選択であるのは承知の上ですが、僕の経験上からのアドバイスです!

 

今の自分にある幸せに目を向ける

 

「今の自分、そんなに悪くないじゃないか」と思うようにしています。ちゃんと仕事ができているし、ご飯もおいしく食べられているし、幸せだなって思います。

 

この言葉もすごく共感できます。病気したての頃は、どうしても今まで出来ていたのに出来なくなってしまったことにばかり目が向きがちです。これは当たり前だと思いますが、いつまでもその状態だと心がしんどくなってしまうと思います。

どこかのタイミングで、「今ある幸せ」に目を向けて進んでいくと、その先にはもっと出来るようになることが増えていくと思います。

特に僕の場合は、完全寝たきり状態で、じっと横になってもいられない時期が長かったので、座ったりできるようになって、今ある幸せを感じやすくなったのかもしれません。

仕事はできていませんが、恩田さんと同じく食べることが大好きなので、食べることができるのはホントに幸せです!いつか必ず、昔みたいにお酒飲めるようになる野望も捨ててはいません!いや、昔みたいに飲むのはむしろまずいか?笑

 

楽しい目標を持って治療に臨んでほしい

 

楽しい目標を持って治療に臨んでほしい。

「ちょっと治まったらおいしいケーキを食べに行こう」という小さな目標でもいいと思います。

 

治療をしていく上で、メンタルを保っていくためにも、この考え方もひじょうに大事だと思います。病気になったという事実が変わらないのであれば、どうせなら楽しく生きていった方がいい!その方が、結果的に病気が治る可能性も高まるはずです。

そのためにも、「楽しい目標を持つ」というのはすごく共感できます。僕の場合は、自転車で日本一周する!と決めたことで状態が上がっていったと思っています。

ただ、そこにたどり着くにはまだ遠い目標なので、恩田さんが言う「おいしいケーキを食べに行く」みたいな目標からでいいと思うんです。実際僕は、先日ブログにも書いたとおり、5年半かけて堂島ロールを食べる目標を叶えました!笑

恩田さんは今後10年間ホルモン療法が続きます。僕は治療法が無いので、いつまで続くかは分かりません。それでも共通して言えることは、今を楽しむ!楽しい目標に向けて進んでいく!そんなことが大事なんだろうなって思います。

 

普段どおりでいいけれど、時には優しい言葉をかけてほしい

 

大げさに捉えられすぎても困りますが、反対に大丈夫と言って軽く捉えられすぎると、「いやいや、そんなに簡単な病気じゃない」と反発心が芽生えることもありました。

 

これは受け手の問題も大きいのですが、恩田さんのこの正直な言葉にも共感できました。

基本的には今までどおり接してほしいという想いがありながら、あまり軽く捉えられるのはなんだか複雑な氣持ちになりますよね。ワガママかな?笑

恩田さんの場合は、普通に会社に通っているとこだけを見ると、まるで完治したように思われることもあったようです。テレビ見たら、普通にキャッチにも出演されていますからね。でも、きっと無理している時もあったはずだと予想がつきます。

僕の場合は、普通に生活できていないので軽く見られることは少ないですが。初期の頃、無理矢理まだ会社に行けていた時、久々に会った人に「なんやー、元気そうじゃん」って、じゃれて蹴飛ばされたことがありました。悪気はないんでしょうけど。見た目では分からないのでしょうが、歩いているのがやっとの状態だったから、おいおい…って感じでした。

最近では、外で友達に会う機会も作れるようになってきました。車いすに乗ってはいますが、他は普通に見えると思います。ただ、その時間だけは普通に見えるようにめちゃめちゃ頑張ってます!分かる人は分かってくれているんだと思いますが。

まあ、その辺は言葉なんてどうでもよくて、信頼関係があるのでいじってくれても全然いいんですけどね(笑)普通に接してもらえるのが一番なので。

その辺のことは、以前書いた「頑張れ」という言葉についての話と似ているかな。

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キャッチのプロデューサー(当時)加藤哲朗さんの言葉・想い

 

恩田アナウンサーが出演を望み、「キャッチ」のキャスターを続けることが彼女の支えになるなら、キャスター継続が私にできる「たった一つのこと」でした。

 

当時のキャッチの放送を見た時、この加藤プロデューサーの想いもひじょうに印象に残りました。治療をしながら番組に復帰することに、社内でも反対意見はあったそうなのですが、恩田さんの意思を尊重してキャスター継続を決断されたそうです。

何事もそうですが、やらないことや無難な選択をすることの方が楽なのでしょうが、「何が恩田さんのためになるのか」という視点で判断して下さった、加藤さんの想いが伝わってくる場面でした。恩田さんも良い上司?仲間をもっているなと感じました。

実際、「戻りたい場所」があったからこそ、恩田さんの状態も良くなったんじゃないかなと思います。僕もそうです。戻りたい場所があるからこそ、頑張れるし状態も少しずつ上がっていっていると思います。

戻りたい場所の大きな1つだった「ナゴヤドーム」は、「バンテリンドーム」に名前が変わってしまったので、この目標は夢となってしまいましたが(そういうことじゃない?笑)、一番戻りたい場所がまだ残っているので、そこを目指して頑張っていきたいと思います!

 

恩田琴子さん(恩田アナの娘さん)の言葉・想い

 

「家族や周りの人には、本人の決めたことを肯定してほしい」という母の言葉を思い出し、何も言わず、母が下した決断を全力で応援しようと決めた。

 

恩田さんが乳がんを発症して、一番涙したり不安だったのは娘の琴子さんだったと思います。手術に向かう時の、我慢していた涙がこぼれてしまったシーンは印象的でした。

そんな娘さんですが、抗がん剤治療に対しては恩田さんと反対意見を持っていました。それでも、本人の決断を不安に思わせないよう、口には出しませんでした。

先ほどは、患者側の目線から「本人が決めた選択を否定せず、寄り添ってほしい」という話をしましたが、家族側からしてみたら、本当に大切な人だからこそ意見を言いたくなるのも分かるんですよね。娘さん、よくこらえて立派だったなと感じました。

実際、どんな決断をしたとしても、何が正解だったかなんて後にならないと分からないし、最後まで分からないことも多いと思うんです。それならば、本人が後悔しない選択をすることが、結果的にそれが一番の正解になるのだと思います。

 

専門医・喜島祐子教授(「ススメ」プロジェクト全般の医療監修を担当)のメッセージ

 

治療にはさまざまな「選択」があります。

医師と納得がいくまで話し合いをし、ご本人の意思で選んでいただくことが大切です。

また、乳がんそのものの治療に加えて、生活面でのサポートの重要性も感じています。

 

今回の「ススメ」プロジェクトにおいて、専門医として監修されている喜島さんです。医師の立場からも、治療の選択肢の多さに関して触れており、本人が納得するまで自分の意思を大切にしてほしいとおっしゃっています。

乳がんの治療だけでなく、生活面のサポートにも触れられているのが素敵ですね。本の中には写真も掲載されているのですが、いかにも優しそうな方です。こういった方が先生にいると安心できるのではないかと思います。

 

声優の矢方美紀さん(元SKE)の言葉・想い

 

事務所が「仕事は仕事、治療は治療」というスタンスで考えてくれているので、とても助かっています。

 

矢方美紀さんは、20代という若さで乳がんを発症しました。当時かなりニュースになっていたので、知っている方も多いのではないでしょうか。

若いということで不安になるコトも多かったと思いますが、その1つが仕事のことだと思います。矢方さんの事務所は理解があり、治療と仕事の両立ができているとのことです。

会社の理解がなく、うまくできていない方も多いということにも触れていて、会社側には病気のことを理解してほしいと思う、と若い世代の方としてのメッセージもありました。

 

乳がん検診のデメリット・過剰診断とは?

基本的には検診に行くきっかけになってほしい。という目的のある「ススメ」プロジェクトではありますが、この本の中には、乳がん検診に行くことのデメリットにも触れており、さすが報道機関が出版している書籍だなと感じました。逆に言うと、信頼のできる書籍でもあると思います。

検診による一番大きなデメリットが「過剰診断」というもので、これは「その人の寿命に影響を及ばさないがんまで見つけてしまうこと」を意味します。

これについては、僕も以前から疑問に感じていた部分でもありました。検診に行かなければ受けることのなかったであろう、がんという診断。そのことによる肉体的・精神的な負担は大きいのではないかと感じるからです。

がん細胞自体は、健康な人の体においても毎日発生しているわけで、「自分はがんである」という認識を持って過ごすことによるデメリットは大きいはずです。もちろん、早期発見が良いこともあるので難しいところですよね。

そんなデメリットも個々人が理解した上で、「ススメ」プロジェクトが発信しているメッセージが次の項目です。

 

「ススメ」プロジェクトからのメッセージ

 

40歳以上の女性は、2年に1度マンモグラフィ検診を受けましょう

 

このメッセージは、科学的根拠に基づいた国の方針でもあり、「ススメ」プロジェクトでもこの方針を採用しています。

マンモグラフィを受けることで、死亡率が下がる科学的根拠のある年齢が「40歳」ということのようです。書籍の中では詳しくいろいろと書いてありますが、最終的にはこういったことを理解した上で、自分で判断するということが大切になってくると思います。

 

安部まみこさん(「ススメ」プロジェクトリーダー)の想い・メッセージ

 

乳がんで苦しむ「人」を減らすとしたのには理由があり、「女性だけでなく、男性にも影響がありますよ」という意味を込めたから。

 

書籍の後半では、プロジェクト立ち上げのきっかけや裏側についても書かれていて、けっこう読み応えがありました。

その中で印象深く、僕が共感した想いがこれでした。男性も乳がんにかかることはありますが、そのこと以上に、自分の大切な「人」が乳がんになったら、周りの人も同じく苦しむことになりますよねってことです。

肉体的な苦しみは本人だけかもしれませんが、精神的な苦しみは家族にしろ友人にしろ、相手が大切な人であればあるほど、周りの人にも影響します。そんなメッセージが込められているわけです。

僕自身の経験からも、このコトは大きく感じることなので、皆さんが自分ごととして捉えることも大事なことなのではないかと感じます。

 

最後に・メッセージ

キャッチで恩田さんの乳がんについて放送された時、僕自身はまだ、テレビを簡単に見られる状態の時ではありませんでした。

そんな時、たまたま番組内容を知って、初めてキャッチを見たのがこの回でした。恩田アナウンサーや矢方美紀さんの存在を知ったのは、失礼ながら乳がんの公表をされたことがきっかけでした。

もっと言うと、僕自身が病気をしていなかったら、このアンテナに反応することもなかったと思います。このように書籍と出会い、ブログで紹介することもなかったと思います。

「縁」というものは、どこで何が作用するか分かりません。

さらに付け加えるならば、この回をきっかけに、ちょこちょこキャッチを見るようになり、出演していたあるアナウンサーが氣になるようになりました。その方の元氣で楽しい雰囲気などから、大きなパワーをもらうことにもなったのです。僕の状態が上がっていく1つの要因になってくれたことは間違いないのです。

人生っておもしろいですよね!病気しなかったら、知ることもなかった人にたくさん出会えました(一方的が多いけど笑)。何が言いたいかというと、病気になって悪いことばかりじゃないよ!ってことを、ここで伝えておきたいと思います。

また、今回の記事の中では、「乳がん」そのものについて言及はほとんどしませんでした。僕は専門知識を持っているわけではありませんので。乳がんの基本知識やセルフチェックの方法などについては、本日紹介した書籍の中で分かりやすくまとめてありますので、是非一度読んでみてほしいと思います。

それでは、本日も読んでいただいた皆さん、ありがとうございました!

「一歩先へススメ」~本当に知っていますか! 乳がんを早く見つけるための知識~

 

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