パラリンピック関連

【車いすユーザー目線】街中に外出するようになって分かった、不便や怖いと感じる4つの困ること

 

こんにちは、ゴロ―です。

最近、外に出られそうな時は、車いすを使用して外出するようにしています。

外出するようになって、不便だなあ、困るなあと感じたことが何度もありました。

本日の記事では、街の中に出るようになったからこそ、気付くことの出来たことをお伝えしていきます。そして、車椅子ユーザーが困る場面などを知っていただくことで、使用しない方にも理解を示していただけると嬉しく思います

ちなみに、私の車いすは「手動車いす」(電動車いすではない)で、介助者ありの状況がほとんどです。また、1人で外出することはまだなく、車で目的地近くまで送り迎えをしてもらい、そこから車いすを使って移動する、といった使用の仕方をしています。

 

駐車場やトイレの不適切な利用

 

まず1つ目は、遭遇する回数が最も多いことなのですが、身体障害者をはじめとしたそこを必要としている方が、優先利用できる駐車場やトイレに関しての話になります。

障害者のための国際シンボルマーク

多くの施設で、上記の写真のようなスペースを見たことがある方も多いのではないでしょうか?

一般的に、「車いすマーク」や「身体障害者マーク」と呼ばれることが多いですが、正式名称は「障害者のための国際シンボルマーク」といいます。車いすのマークが使われているため、車いすユーザー専用と思われがちですが、その他の障がいの方も利用できます

いずれにせよ、このスペースが無いと不便に感じるという方が、優先利用する駐車場になります。施設の入口やエレベーター付近に配置されていることがほとんどですので、私自身もこのスペースを利用できることの便利さを感じています。

だからこそ、健常者の方(ここを利用する理由が特にない方)にこのスペースを利用されると困ることになります。もちろん見た目では分からない方もいらっしゃいますが、私の経験則では、健常者の方が利用している光景を何度も目にしています。あるアンケートでは、健常者の不適切な利用により、本当に必要な人が利用できないことがよくあると、40%以上の方が答えているそうです。

また、私の場合は介助者もいますし、立ち上がることもできるのでまだいいのですが、1人で乗車等を行う方にとっては、このスペースでないと不可能という場合もあります

以前、車いすモデルとして活躍されている日置有紀さんが、SNSに投稿したものが話題となっていましたが、この障がい者用の駐車場スペースは、一般的な駐車スペースよりも広くなっています。それは、ドアを全開の状態にして車に乗り降りする必要があるからなのですが、この広くなっている隙間(先ほどの写真の斜線になっている箇所ですね)に駐車する人がいるそうなのです。

そういった場合、駐車場に戻っても、車のドアを全開にすることが出来ないために、乗車することが出来ないといったことが起きてしまうわけです。日置さんは日常的にこのようなことがあるようで、1時間も自分の車に乗れないなんてこともあったみたいです。

つけたし先生
つけたし先生
駐車場のスペースが、なぜ広くなっているのかが分かるエピソードね。 

 

私たちの想像以上に、苦労されている方がいるということですね。私自身、車いすを使用する以前にこういったスペースを使用したことは無かったと思いますが、健常者の皆さんにも、こういった内容を理解いただいて、近いから・空いていたからといった理由では利用しないようにしていただきたいと思います。

また、いろいろな施設にある「多目的トイレ」についても同じことがいえます。

あくまでも障がい者「優先」ということにはなりますが、身体の障がいがある方やお子様連れの方など、必要としているからこそ利用する場所なのです。みんなのトイレ・多機能トイレなどという標記もあり、紛らわしい部分もありますが、駐車場の場合と同様に、困る人がいるということを理解していただけるとありがたいです。

 

 

周囲の人にぶつかるのではないかという恐怖

 

2つ目は、不便というよりは、怖さを感じることが多いという内容になります。

街中に出てみて分かったのですが、車いすで人が多いところに行くことは、想像以上に気疲れしますそして、意外と周りを見ることなく(気にすることなく)歩いている人が多いということを感じます。

大人が歩いている場合は、車いすがどうしても目線の低い位置になってしまうので、難しい部分もありますが、よそ見して歩いていたり、歩きスマホをしている方がかなり多いので、周りの人にぶつかりそうになる恐怖を感じた体験が何度もありました

車いす側ももちろん意識していないといけないし、なるべく自分でも避けるようにはしていますが、人混みになればなるほど、前持って動くことも、瞬間的に動くことも難しいという現実があります。

また、介助者に車いすを押してもらっている場合はまだいいのですが、自分1人でこいでいる時は、相手の視線にも入りづらく、車いす側もこぐことに必死になっている場合が多いので、危険度や恐怖度が増します。

歩いている人同士にとっても、スマホ歩きの人とすれ違うのは危険だと思います。車いすやベビーカーを使用している方もいますので、少なくとも歩きスマホ(自転車スマホは相当怖いです)はなるべく行わないか、より周りに注意をはらっていただけるとありがたいです。

 

 

エレベーターに乗ることが一苦労

 

3つ目は、エレベーターに乗る際に感じる困ることです。

エレベーターを利用したいとなった場合、そもそもエレベーターを見つけるのに時間がかかることが多いです。ショッピングモールなどの場合は割と分かりやすいことが多いですが、ちょっとした建物や普通の道で、地下に行きたいとなった場合などは、看板がないので見つけるまでに時間がかかります。

そして、エレベーターに関して一番不便に感じることが、長い時間待った結果、エレベーターに乗れないことが多々あるということです。これは、車いすに乗るまでは考えたこともなかった盲点でした。

百貨店や複合施設などの階数が多い施設を利用する場合、エレベーターの待ち時間がけっこうあるのは皆さんも経験があるかと思いますが、いざ乗れるとなった時に、人がいっぱいで乗れないことが非常に多いです。

数人が乗ることができても、車いすとなるとスペース的に諦めざるをえない場合があります。私の場合は、長いこと座っていることが体調的に厳しい部分があるので、余計に不便さを感じるのかもしれませんが、何度もエレベーターを見送って、時間だけが過ぎていくというのは体力的にも精神的にもきついものがあります。

そんな中、先日、ある百貨店でこんなエレベーターに出会いました。

車いす優先・専用エレベーター

右側はよく目にする「優先エレベーター」なのですが、左側は、ベビーカー・車イス・体の不自由な方を対象とした「専用エレベーター」になります。

実際には一般の方も利用できるようでしたが、中にエレベーターガールの方がいらっしゃって、必要とする方が待っている場合は、降りていただくことになりますといった説明を全員の方にされていました。

これは大変な仕事だぞと感じながら、我々車いすを使用するものにとっては、非常にありがたいエレベーターだと感じました。こういったエレベーターが(1基でいいと思うので)用意されている施設が、今後増えてくることを願います。

「優先」エレベーターも、必ずと言っていいほど用意されているのですが、実際には先ほどのように乗れないことがほとんどです。車いすの人がいたからと言って、代わりに私が降ります、なんて人はなかなかいらっしゃらないですからね。

ただ、2階から1階に降りるだけで20分も待たされるのはけっこう辛いです。階段やエスカレーターを使えば一瞬なのにと悔しい経験を何度もしています。こんな背景があるということを、頭の片隅に少し入れておいていただけると嬉しく思います。

つけたし先生
つけたし先生
そうね、私もそういった視点で考えたことは無かったわ。これからは少し意識してみたいところね!

 

また、私の場合はまだ電車に乗る経験はありませんが、駅のエレベーターや改札などで同じようなことが起きると考えると、かなり不便であることは容易に想像がつきます。駅などでそういった方を見かけた場合は、なるべく優先してあげてほしいと思います。

 

 

物理的にバリアフリー対策が必要と感じる部分

 

ここまでは、どちらかと言うとソフト面についての項目でしたが、最後にハード面の部分で不便に感じたことについて述べたいと思います。

まずは何と言っても、公道を車いすで走行するのは見た目以上に大変です。歩いていた時は気付かなかったちょっとした傾斜が、めちゃくちゃきついです。公道を走っていて体感するのは、90%以上の道が、車いすにとっては平坦ではない道といえます。

また、当然坂道は難敵です。上り坂は「きつさ」がありますが、下り坂では「怖さ」があります手を離してしまうと、勢いよく下っていってしまうので注意が必要になります。私自身も、自走の場合は何度か恐怖を感じた経験がありました。

段差があったり、(歩道橋があるだけで)信号が無いと遠回りを強いられることも多々ありますし、信号の時間が短いと渡りきれないなんてこともあります。これに関しては、渡れるように鍛えていきたいとは思いますが(笑)

意外とネックになるのが、イオンなどの商業施設で、床にキレイな絨毯が施されている場合です。普段公道を走っていると分かりますが、平坦な道の商業施設は天国に感じるのですが、じゅうたんなどがあると車いすが急激に重く感じます

これは自走の場合だけでなく、介助者側にとっても押すのが急激に大変になるということで、そういった場所には、できればツルツルな床も一部用意してあると助かると思います。

こういったように、ハード面での障害に関しては、少しずつでもバリアフリーが進んでいくと良いですね。実際、2020年の東京オリパラに向けてバリアフリーが進んでいるのは感じるところですので、車いすを使用する側からも意見を出していくことが必要になってくるのかもしれません。

以上、車いすで街中に出る際、不便だなあ、怖いなあ、困るなあ、と感じたことをお伝えさせていただきました。

 

 

つけたし先生
つけたし先生
最後に、まとめとして少し補足させてもらうわね!

最初の3つは主にソフト面で解決できそうなこと、最後の1つはハード面の話になったと思います。しかし、物理的なハード面の事柄においても、皆さんの協力をいただくことで対応できることがたくさんあると感じています

私が実際に体験したことなのですが、どこかの施設に出入りしたい際に、自動ドアがなく、手動で開けないといけないドアのみがある場合があります。その場合、介助者がいる時は問題ありませんが、1人で自走となると通ることができません。

そんな時、通りすがりの方に手動ドアを開けてもらえると、それだけで非常に助かります5秒で終わってしまうことですが、それが大変助かりますし、お互いが嬉しい気持ちになるのではないかと思います。

バリアフリーという言葉は難しいことのようで、人の心に支えられている部分も大きいと感じています。そんな考えがふと頭に浮かぶきっかけに、この記事がなってくれたら嬉しく思います。

 

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