パラリンピック関連

パラリンッピックに出場できる障がいの種類は?クラス分けの考え方・見方と共に解説します!

こんにちは、ゴロ―です。

皆さんは、障がい・障がい者と聞くと、どういった状態をイメージするでしょうか?

一口に「障がい」と言っても、身体的な障がいもあれば、知的障がいや精神障がいなどの見た目だけでは分かりづらい障がいもあります。障がいの種類はもちろんのこと、障がいのある部位などに関しても様々な人がいます。

そんな中、スポーツの世界ではどのような扱いになっているのでしょうか?とりわけパラリンピックなどの国際大会への出場資格に関しては、気になる部分ではないかと思います。

この記事では、パラリンピックへの出場資格がある障がいの種類について、また、そこから派生する障がいの「クラス分け」という考え方についてお伝えしていきます。

さらに、参加資格の対象が限定されてしまうことで生じる課題などについても、私の意見などを交えながら考察していきたいと思います。

 

パラリンピック出場の参加資格・対象は?

 

パラリンピックを始めとするパラスポーツの大会に関して、私自身も出場することができないのか?ということが気になり、いろいろと調べていた時がありました。

まず、私の場合は、障がいがあるわけではなく、病気による車いす使用者ということで、国際大会・国内大会ともに出場することはできないということが分かりました。

障がい者のスポーツの世界において、障がいの種類は、身体障がい・知的障がい・精神障がいの3種類に主に分かれており、全日本知的障害者スポーツ協会・精神障害者スポーツ推進委員会など、個々の組織が存在し、競技大会などもそれぞれ開催されています。

しかし、精神障害者と知的障害者(競技によっては参加可能)の選手は、パラリンピックには出場することができません。また、身体障害者であっても、聴覚障害者や内部障害者(私もこれに当たるのかな)に関しても参加資格はありません。

ただし、聴覚障がいに関しては、「デフリンピック」というものがあり、パラリンピックやオリンピックと同じように、4年に1度国際大会が開かれています。個人的には、パラリンピックの中に入れてしまった方が、一緒に盛り上がることが出来るのではないかと思うのですが、こういった目指す大会があるという事実だけでも、ろう者の選手にとって励みにはなると思います。

また、身体障がいについても、国際大会においては「最小の障がい基準」というものが設けられており、下記一覧の基準(日本パラ陸上競技連盟発表)を満たしていないと、パラリンピックに出場することはできません。

ただし、日本国内の大会に関しては、身体障害者手帳や療育手帳を持っている方は大会に出場することができます。しかし、この手帳に関しても、交付される基準が定められているので、国内大会においても出場選手は制限されてしまいます(私もそうです)。

 

この章のまとめ

・パラリンピックに出場できるのは、主に身体障害者・知的障害者のみ

・聴覚障害者を対象とした、「デフリンピック」というものがある

・国際大会においては、「最小の障がい基準」が定められている

・国内大会においては、身体障害者手帳などを持つ方は出場可能

 

 

パラスポーツにおける「クラス分け」とは?

 

パラリンピックに出場することが出来る障がいの種類が分かったところで、次に疑問となるのが、障がいの種類や部位の違う選手がたくさんいる中、さらに、障がいが軽い・重いなどの程度が異なるといった問題はないのか?ということだと思います。

 

そこで登場する考え方が「クラス分け」というものです。

クラス分けを行う目的としては、参加が認められている障がいの種類や程度を明確にするため、そして、公平な条件により競い合うことを目指し、同程度の障がいの選手同士で競技を行うことができるようにするためです。

パラリンピックの競技に関しては、国際パラリンピック委員会(IPC)が定めている国際クラス分け基準をもとに、クラス分けのマニュアルが競技ごとに作成されています。また、それらのクラス分けを行うことができるのは、「クラシファイヤー」と呼ばれる資格を取得した人だけとなります。

クラス分けは細かく複雑になっており、競技によっても基準が異なってくるため、ここではパラ陸上競技を例にとって、簡単に具体例を説明していきます

実際にパラ競技を見ていると、確かに競技数も多いですし、一見すると暗号のような感じでクラス分けがされているように感じるので、ここでは3つの項目に分かれているということだけ覚えていただきたいと思います。

 

①競技の種類

トラック競技の「T」と、フィールド競技の「F」に分かれます

「T」:走競技(100m~マラソンまで)・走り幅跳び・走り高跳び・三段跳び

「F」:砲丸投げ・やり投げ・円盤投げ・こん棒投げ

 

②障がいの種類

「10番台」:視覚障がい(目が全く見えない、見えにくい)

「20番台」:知的障がい(読み書きや物事の理解を苦手とする)

「30番台」:脳性まひ(運動障害、肢体不自由者など)

「40番台」:切断・機能障がい「立位」(低身長、関節可動域制限など)

「50番台」:切断・機能障がい「車いす・投てき台」(脚長差、筋力低下など)

「60番台」:義足を装着して出場

 

③障がいの程度

障がいの程度に応じて、0~9の番号がつけられる

番号が小さいほど、障がいの程度は重い

例えば40番台は、下肢切断は「2~4」、上肢切断は「5~7」といった具合

 

上記3つの項目を組み合わせて、競技者のクラス分けが行われます

ここで具体例を、私が特に応援している2人のパラアスリートで考えてみましょう。

リオデジャネイロパラリンピックで銅メダルを獲得した重本沙絵選手の場合は、陸上女子400mに出場するので、「トラック競技・切断・上肢切断で程度は7」という項目に当てはまり、「T47」というクラス分けが行われます。

次に、リオデジャネイロパラリンピックの走り幅跳びで銀メダルを獲得した山本篤選手の場合は、男子100mなどの競技にも出場していますが、走り幅跳びに関して考えると、「トラック競技・義足装着(片側大腿切断)・程度は3」という項目に当てはまり、「T63」というクラス分けになります。

実際の選手を参考に、クラス分けのやり方を、具体的に示してみましたがいかがでしたでしょうか?このように、3つの項目を中心にクラス分けが行われていますので、一度覚えてしまえばなんとなく分かっていただけると思います。

実際に大会会場やテレビなどで観戦する際に、行われている競技にどのような選手が出場しているのかな?クラス分けはどうなっているのかな?という視点で見ていただくことで、一層楽しく観戦できるのではないかと思います。

さらにクラス分けの詳細を知りたい方は、日本パラ陸上競技連盟が作成している下記の「クラス分けマニュアル」をご覧ください。

https://jaafd.org/pdf/top/classwake_qa_rr.pdf

 

この章のまとめ

・クラス分けは、公平な条件のもと選手同士が競技を行えるようにするため

・「クラシファイヤー」と呼ばれる資格を持った人が、クラス分けを行う

・クラス分けは、競技の種類と障がいの種類・程度の3項目を組み合わせて行う

 

 

出場資格の対象限定やクラス分けにより生じる課題・問題点とは?

 

パラスポーツにおける参加資格や障がいのクラス分けに関して、ここまで述べてきましたが、パラスポーツのこういった性質上生じてしまう問題点について、この章では私の考えを述べていきたいと思います。

クラス分けにより、1競技あたりの参加選手が少ない

まずは、細かくクラス分けを行うということで、1つのクラスの競技における参加選手の人数が少なくなってしまうということです。国内の大会ともなると、クラスによっては1人で参加することになってしまう大会もあるくらいです。

そういった光景を見るのは私自身も違和感がありましたし、選手のモチベーションを考えると、競技を行いにくいのではないかと予想されます。また、メダルの価値が下がってしまうという意見もあります。

こういった問題を回避するために、大会や競技によっては、複数のクラスを統合して「コンバインド種目」として競技を行うこともありますが、正式な国際大会などで行われるわけではありませんので、やはり選手にとってはやりづらさがあることは容易に想像できます。クラス分けも重要ですが、今後の課題の1つであると考えられます。

 

見た目で判断が難しい障がいへの対応

身体障害においては、見た目で分かりやすい障がいが多く、また、平等な条件でのクラス分けを行いやすいと考えられます。しかし、知的障害や内部障害などに関しては、見た目だけでは判断が難しいと考えられます。

そして、身体障害とは異なり、障がいの程度が重いからといって、その分運動能力においてのハンデがあるとも限らないため、クラス分けが難しくなります。

さらに、知的障害は見た目で分からないことから、かつて障がいの偽装問題という事件も起こりました。シドニーパラリンピックのバスケットボール競技において、スペインのチームのほとんどの選手が健常者であったという問題があり、これが原因で、知的障害を対象とした多くの競技がパラリンピックでは行われなくなりました。

 

パラスポーツに触れる機会が少ない

障がい者によるスポーツである以上仕方ないのですが、健常者がパラスポーツの大会に出場することは基本的にはありません。

また、私のように、病気が原因である意味「障がい」を抱えている人も大会に出場することができません。また、障害者手帳などを持つ方は、一部の大会には出場できますが、それでも国際大会にはやはり出場できません。

そうなってくると、出場可能な選手数の母数自体が少なくなるという問題が生じてしまいます。自分が経験することのないスポーツ競技に対して、興味を持って観戦・応援してみようとはなりづらいと思います。

出場資格の対象を限定してしまうことへの一番の課題は、パラスポーツに触れる機会を奪ってしまうことだと私は感じています。

そういった意味では、2020年の東京パラリンピックに向けて、いろいろなパラスポーツイベントが開かれ、健常者が体験するコーナーなどがあるということは、今後の期待が持てるところであります。

ただし、1つ問題となるのは、そういったイベントが首都圏に偏っているということです。私自身も面白そうだなと思い、参加したいイベントがいくつもあるのですが、地方に住んでいる人間にとってはなかなか参加することができません。

こういった体験イベントが全国各地に広がり、パラスポーツを実際に体感できる機会がこの先増えていくと、パラスポーツ・パラリンピックへの興味を持つ人が増え、観客席が埋まる光景を見ることができるのではないかと楽しみにしています。

 

この章のまとめ

・大会や競技によっては、少人数で行わざるをえない状況がある

・見た目で分からない障がいを、公平に判断することは難しい

・病気などでの「障がい者」や健常者がパラスポーツに触れる機会が少ない

・パラスポーツの体験イベントを、全国各地に広げる活動が必要である

 

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