インタビュー記事

【今できることを楽しむ】小学生の時から1型糖尿病を抱えながらも、仕事も趣味もやりたい道へ! (30代男性・Kさん)

 

こんにちは、ゴローです。

本日の記事では、小学生の時から1型糖尿病を抱えているKさんにインタビューさせていただきました。

「糖尿病」という言葉はよく耳にすると思いますが、そのほとんどが2型糖尿病であり、1型糖尿病の患者数は、2型と比較するとかなり少ないです。それゆえに(糖尿病という言葉自体は有名なため余計に)理解されづらい部分もあると個人的には感じています。

1型糖尿病の患者として真っ先に思い浮かぶのが、阪神タイガースで活躍した岩田稔さんです。高校生の時に発症し苦労しながらも、プロ野球選手として大活躍し(ドラゴンズも苦しめられました)、同じ1型糖尿病患者に希望を与えたいという想いを見事に実現させました。

岩田さんのように、若くして発症する病気というのが、1型糖尿病の一つの特徴かと思いますが、今回インタビューさせてもらったKさんも、小学生という若さで発症しながら、ホノルルマラソンに出場したりと、今を楽しめているお話を聴かせていただきましたので、特に若くして病気を抱えている方にこの記事を読んでいただき、何か希望になることを感じとってもらえたら嬉しいです。

 

①病気が分かったのはいつ頃?

小学校4年生の時に分かった。それまでは普通に過ごしていたが、違和感のある出来事が続いたため、血液検査をしたところ、血糖値が以上に高いことが分かった。

病院の人も、検査の結果を見て大人のモノだと思っていたら、患者が子供だったためビックリされた。子供ということもあり、生活習慣に起因する血糖値の高さとは考えづらかったため、1型糖尿病と診断された。

 

②どんな治療をしていた(今現在も継続中)?

インスリンの働きが正常ではないため、注射でインスリンを補充している。最初は親が打てるように練習をして、じょじょに自分でも打てるように練習をしていった。

毎食事前に血糖値を計って、その数値によってインスリン注射の量を調整していく。即効性のある注射を1日3回と、寝る直前に長時間効果のある注射を1回で、1日4回の注射をしている。

 

③インスリン注射以外の治療や、症状に対して取り組んでいることは?

目が悪くなる(失明する)、臓器が悪くなるなどの合併症の危険性もあるため、月に1回は血液検査を行っている(今のところは大丈夫)。

血糖値が上がってくると、ボーッとするなど、肌感覚で血糖値が上がってきていることが分かる。そのため、甘いモノをあまり食べない、暴飲暴食をしないといったことも大事になってくる。

また、運動をしたり頭を使ったりすることで、逆に血糖値が下がりすぎてしまうことがあるため、そういった場合は甘いモノを食べることで調整することも必要になる。

糖尿病というと、血糖値が上がってしまうことばかりに目がいきがちですが、(血糖値のコントロールが難しいため)血糖値が下がりすぎてしまうことにも対処していく必要があるということは、僕自身も今回のインタビューで氣づかされたことでした。

Kさんの場合は、まだ気を失ったことは無いそうですが、同じ患者で集まってキャンプなどをしていた時に、気を失ってしまう方がいるのを目にしたことがあるそうで、やはり難しい病気であることが改めて分かります。

 

④1型糖尿病があることで不便だったことは?(特に学生時代など)

食事のたびに注射を打たなきゃいけないのは大変ではあった。特に小学生の時は、教室から離れて注射を打っていたので。中学生くらいからは、病気のことも周りに説明すれば分かってもらえるので、席で普通に注射するようにはなったが。

 

⑤病気があることで悔しかったことは?逆にメリットも?

学生時代は修学旅行にも行けたし、部活でバスケもしていた。注射を打っていれば、特に日常生活で困ることはあまり無かったかな。

むしろ、病気があることでいろいろな情報も入ってくるし、病気に負けないぞ!といった集まりで、みんなで御嶽山に登ったなどの良い思い出もできた。不便なこともあるけど、健康に氣をつけようという意識が人より強くなるなど、メリットの方が多いかもしれない。

 

⑥病気があっても、趣味もちゃんと楽しめている

30歳になるタイミングでホノルルマラソンに出場したいと思い、そこに向けてマラソンをやり始めた。低血糖にならないように、アメやゼリーなども常備しながら、実際に30歳でフルマラソンを走りきることも出来た!

海外旅行も好きで、1人でよく行っている。倒れないような準備(主に注射と甘いモノ)をしておけば、1人で海外旅行も問題ないので、好きなことを楽しめている。

 

⑦今年に入って転職したということだが、今後の展望などは?

仕事の内容や職場の雰囲気など、いろいろ考えることがあったのも確かだが、ずっと大企業で働いていたので、違う視点で働いてみたいと思った。そういったことからも、職種は今までと同じ経理担当として、(大企業ではなく)スタートアップを意識した転職活動を行った。

結果、「AIを使って、製造業の製造工程を最適化する」といったことを行う、大学発のスタートアップで働くことになった。業務内容としては今までと同じ(経理)ではあるものの、これまでの大企業とは歴史も規模も全く違うし、年齢層やスピード感も大きく違うため刺激的である。

全く違う世界を経験できているので、これからも偏ることなく、いろいろな視点を持っていきたいというのが今後の展望かな。

 

⑧病気を経験しているからこそ、何か得たものはある?

目が見えなくなるかもしれないとか、普通は想像することもないと思うけど、自分の場合は合併症が起きたらそういった可能性もあるわけで・・・、だからこそ、今のうちに海外旅行に行こうとか、後悔しないように楽しもうという氣持ちが持てていると思う。

 

⑨最後に、現在病気や障がいなどを抱えている人にメッセージをいただけますか

病気の種類によって、やれることも変わってくると思うから一緒くたには難しいけど・・・、病気があるからこそ、〇〇歳までにこれをやっておきたい!といった目標を持っていてほしいかな。

例えば、定年になったら海外旅行に行こうと思ったりするかもしれないが、その時に身体が健康な保証もないし、病気があるからこそ現実的に危機感もあると思うから、やれる時にやれることをやっていって欲しいと思うかな。

 

⑩今回インタビューをさせてもらった感想

病気(1型糖尿病)があるということに対して、Kさんにとっては特別という感覚はあまりなく、当たり前のことのように感じられるほど「受け入れて」いるんだなと感じました。

小学生の時からということで、これまでの人生の中できっと、悔しいこともあったとは思いますが、インタビューを通してそういったことを感じさせることもなく、むしろ病気があるからこそ、健康に氣をつかうことが出来ている、今を楽しもうと思える、などのメリットがあると、前向きな話を聴かせてもらうことが出来ました。

だからこそ、趣味も仕事も、今やりたいと思っていることに対して、自分の道として進んでいけるんだなと感じました。1型糖尿病をかかえながらも(いや、病気がなかったとしても)、フルマラソンを走ったという事実は、多くの人に勇氣を与えてくれるのではないでしょうか?

小学生の時から病気をかかえているKさんが、こうやって「今」を楽しむことが出来ていることを(この記事を読んで)知ってもらい、何かを感じとってもらえる方がいれば嬉しく思います。

 

それでは、本日も最後まで読んでいただいた皆さん、ありがとうございました!

 

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